TOP脊椎疾患について > 頚椎症(頚椎症性神経根症)

骨粗鬆症性椎体骨折(圧迫骨折) Cervical spondylosis
(Cervical spondylotic myelopathy, Cervical spondylotic radiculopathy)

頚椎症(頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症)

疾患の定義と原因

頚椎の椎間板、関節などの加齢変化が原因で、骨棘(骨のとげ)の形成、靭帯の肥厚、椎間板の膨隆などが起こることを頚椎症といいます。
頚椎症では神経(脊髄、神経根)の通り道である脊柱管や椎間孔が狭くなることがあります。
脊柱管の中の脊髄が圧迫されて症状がでることを頚椎症性脊髄症といいます。脊髄からわかれて上肢へゆく神経根が圧迫されて症状が出ることを頚椎症性神経根症といいます。
ここからは、頚椎症性脊髄症と頚椎症性神経根症を分けて御説明します。

主な症状

頚部から肩甲骨周囲の痛み
頚部だけではなく、肩甲骨のまわりや肩甲骨のあいだにも痛みがでることが多いです。
上肢の痛みやしびれ
一般に頚椎を後ろへそらせると症状が出現したり症状が強くなることが多いので、上方を見ることや、うがいをすることが不自由になります。
上肢の筋力低下
肩が上がらなくなったり、肘が曲げにくくなったりすることがあります。

治療

保存療法

多くの場合、保存療法で治癒するとされており、まずは安静、薬物療法、リハビリテーション等の保存療法がおこなわれます。

手術療法

保存療法でも症状が改善しない場合や、筋力低下等の神経の症状が強い場合には、手術療法が必要となります。
手術は、「前方除圧固定術」を行います。

前方除圧固定術
神経に対する圧迫を前方から取り除き、その部分を固定する手術を行います。顕微鏡を使用して手術を行うことで、より安全に、より体へのダメージが少なくなるように工夫しています。手術当日から歩行が可能で、6〜10日後には退院可能です。
参考文献
  • Orthopaedic Knowledge Update: Spine 4 AAOS
  • 頚椎症性脊髄症 診療ガイドライン 南江堂
  • 頚椎後縦靱帯骨化症 診療ガイドライン 2011 改訂第2版 南江堂
  • 脊椎脊髄病用語辞典 改訂第4版 日本脊椎脊髄病学会 編 南江堂
  • 脊椎脊髄病学 岩崎幹季 第1版 金原出版株式会社
  • 頚椎症 NEW MOOK 整形外科 No.6 金原出版株式会社
  • 頚髄症神経根症の保存療法のコツとpitfall Monthly Book Orthopaedics Vol.16 No.8
  • 第11回 日本整形外科学会 脊椎脊髄病医研修会 テキスト
  • 公益社団法人 日本整形外科学会 ホームページ
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