せぼねと筋肉 ~運動のススメ~
今回はせぼねと筋肉の話をします。力こぶや割れた腹筋などからイメージされる筋肉は『骨格筋』とよばれ、そのおもな働きは①関節を動かすこと、②安定させることの2つです。筋肉はその両端が丈夫な腱になっており、関節をまたいで骨と骨をつないでいます。筋肉が伸び縮みすれば関節が動き、制止すれば関節を安定化させます。筋肉を除去された骨がグラグラになりそうなのは想像に難くないですね。(鶏の手羽先や手羽元、食べた後はグラグラです…)
せぼねにもたくさんの筋肉がついており、大きくは体の外側の方にあるアウターマッスルと、内側のインナーマッスルの2種類に分けられます。アウターマッスルには「体を前後屈させたり、ねじる」、インナーマッスルには「姿勢を保つ」といったはたらきがあります。せぼねを①動かすアウター、せぼねを②安定化させるインナーといったところです。
せぼねの筋肉のトラブルは肩こりや腰痛の一因であり、慢性腰痛者の多くはインナーマッスルが機能していないという研究成果が数多く出されています。古くから腰痛には腹筋や背筋を鍛えると良いといわれていました。しかしながら、上半身を起き上がらせる旧来の“腹筋”や“背筋”といわれるトレーニング方法ではアウターマッスルしか鍛えられず、必ずしも腰痛に効果があるわけではないこともわかってきました。そこで注目されてきたのが、インナーマッスルをも鍛える体幹トレーニングです。現在では腰痛治療やスポーツ現場で広く用いられています。サッカーの日本代表選手がそれで競技力を向上させ、本を出したことでも一躍有名になりました。腰痛の予防や改善には、アウターマッスルだけではなくインナーマッスルの機能も改善させ、せぼねの安定性や動きを強化することが重要です。日々体を鍛え運動することは、メタボの予防だけではなく腰痛にも効果があるのです。酒ではなく、運動こそ百薬の長なのです!